26日(土)は穏やかな天気に、別に用がある訳ではないが、夙川沿いに香櫨園浜まで散歩したくなり阪急電車で三宮駅から夙川駅へ。
夙川駅から香櫨園浜への夙川堤は、遠い昔の通学路。
阪急神戸線・夙川駅から北側は、写真では松の木が目立つが、桜の名所として有名な所。花見の頃は、夙川堤に沢山の人出がある。
甲陽線・苦楽園口駅近くの蕎麦屋さんの大きな窓からは、花冷えの心配も無く花見を愉しめるのでお薦めしたいが、人出が多くて都合よく席があるかは行ってみないと分からないのが辛いところ。
甲陽線の電車が出て行く。終点の甲陽園まで途中の駅は苦楽園口駅の一駅だけ。
40年以上前、この線の車両は旧式の車両が多くて、照明は他の車両のように蛍光灯ではなく白熱灯。しかも床が木製で椅子も固く、あまりにもレトロ過ぎて、風景よりも車両の印象が強烈だったのを思い出す。
夙川駅から夙川の右岸を南に行くと、右側に片矛池があり、白鷺がいた。池の周りにはベンチがあり、これから日差しが温かい時には、一服するには良い場所になっている。
右岸の遊歩道は、人とすれ違うのがやっとの階段で、ほぼ川の水面と同じくらいまで下りて、JRの鉄橋を潜る。
新快速がやって来た。今思えばとんでもない話だが、高校生の頃、列車が来ると垂れ流しトイレの飛沫を浴びないよう、慌てて鉄橋の下から走って逃げていた事もあった。
鉄橋を潜って再び堤に上がると、そこに日切地蔵尊が祀ってある。
来年の干支(酉)に因んでなのか、傍に鶏頭が咲いていた。冬が近い。
国道2号線の橋で向こうの右岸から、手前の左岸へ渡り、南へ歩いて行く。
国道2号線から南の左岸の堤は、車が通行止めになっているので、ジョギング、ランニングに利用する人も多い。
東灘の青木(おうぎ)から通学する級友がこの駅を利用していたが、その当時、川の上の駅舎はもの凄くクラシックでちょっと怖かった。
現在の駅舎では、「香櫨園」の名前の由来を説明している。
この辺りも日当りがよく、道沿いにベンチがあるので気軽に散歩が出来て、住むには良い環境だ。
夙川の河口近くまで来た。橋を渡って右岸にある回生病院の棕櫚の並木を見よう。
橋から甲山が見える。
甲山山頂は、思い出の中では草だけが生えていて西宮を一望出来る場所だった。しかし数年前甲山に登ったら、山頂は林の中で全く展望が無くて唖然とした。父に連れられて甲山に登ったのがもう50年も前の話、変わっていて当然だ。
通学していた高校がこの近くにあり隣が酒造会社だった。その高校も阪神タイガース優勝祈願で有名な廣田神社近くへ越している。
西宮での思い出は40年以上前の事ばかりになってしまう。
河口の形は昔と同じだが、向こうに見える西宮浜の埋め立て地は記憶には無く、まるで夙川が別の大きな川に合流しているようで、私にはとても浜とは思えない香櫨園浜。
回生病院の棕櫚の並木。村上春樹の「ノルウェイの森」に出てくる病院は、回生病院がモデルとなっているようだ。
左手は芦屋シーサイドタウン。遊歩道は以前、芦屋川の河口まで続く防波堤の道で、高校の体育の時間に走らされていた。
記憶にあった香櫨園浜の海が無くて残念だったが、回生病院の棕櫚と、香櫨園浜の現在を見る事が出来て良かった。
阪神電車の香櫨園駅から帰ろうと夙川を上がり始めると、青鷺と鴨。川の環境は40年以上前と比べると確かに良くなっていると思う。
散歩する人の絶えない夙川堤は、本当に良い道だと思う。